女性に「鎖を首に巻いておけ」　傷害致死罪で起訴へ

　岐阜県美濃加茂市で２００９年、浅埜（あさの）江里さん（当時２６）が暴行死したとされる事件で、傷害致死の疑いで逮捕された交際相手の林圭二容疑者（４１）＝別の女性への殺人罪などで起訴＝が、これまでの愛知県警の調べに対し、「（死亡直前に）『鎖を首に巻いておけ』と言った」と供述していたことが捜査関係者への取材でわかった。

　捜査当局は、浅埜さんは日常的に暴行や脅迫を受け、抵抗できない精神状態に陥っていたと判断。命令を受け、浅埜さんが自ら鎖を首に巻き付けていることから、林容疑者の行為は暴行に当たり、死に至ったとみて、名古屋地検は勾留満期の２５日にも林容疑者を傷害致死罪で起訴する方針。

　捜査当局は殺人罪の適用も検討したが、林容疑者が浅埜さんの稼ぎを頼りにしていたことや、当初の調べに「気づいたら死んでいた」と供述したことから、殺意は問えないと判断した。林容疑者は現在、調べに対し、黙秘している。