＜大阪地検特捜部＞元国税調査官に収賄容疑…再逮捕へ

　大阪国税局の調査官がホストクラブ運営会社の脱税に関与したとされる事件で、西税務署の元上席国税調査官、平良（たいら）辰夫容疑者（４３）＝起訴休職＝が国税局ＯＢ税理士側から現金を受け取った疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。大阪地検特捜部は、運営会社の脱税工作に協力した見返りだったとみており、４日にも平良容疑者を収賄容疑で再逮捕する方針を固めた。

　ＯＢ税理士で「税理士法人ナイスアシスト」の実質経営者、細名高司容疑者（６１）＝大阪府警が貸金業法違反などの疑いで逮捕＝も、贈賄容疑で再逮捕するとみられる。国税職員とＯＢ税理士の癒着による脱税疑惑は、贈収賄事件に発展する。

　捜査関係者によると平良容疑者は、細名容疑者の顧客だった大阪市のホストクラブ運営会社「Ｍ」の脱税に協力するための便宜を図った見返りに、細名容疑者らから現金を受け取った疑いが持たれている。

　特捜部は先月１８日、Ｍの脱税がばれないよう、経営者の宮城敦被告（３６）＝法人税法違反（脱税）などの罪で起訴＝に２０１１年の税務調査でうそをつかせたとして、平良、細名両容疑者を法人税法違反（虚偽答弁）の罪で起訴。１９日には、Ｍに対する抜き打ちの税務調査の日時を細名容疑者に漏らしたとして、平良容疑者を国家公務員法（守秘義務）違反の疑いで再逮捕した。