逮捕のOB、現職ら複数接待＝国税調査官、贈収賄容疑視野―大阪地検

　大阪国税局の税務調査に対する虚偽説明事件で、同国税局OBの税理士細名高司容疑者（61）＝法人税法違反（脱税、偽りの答弁）容疑で逮捕＝側が、複数の現職の税務署員やOBを飲食接待していたことが30日、関係者への取材で分かった。西税務署の上席国税調査官平良辰夫容疑者（43）＝同法違反（偽りの答弁）容疑で逮捕＝も接待を受けていた疑いがある。
　大阪地検特捜部は細名容疑者が接待の見返りに平良容疑者から内部情報を得て、顧客会社の税務調査対策に活用していたとみて、贈収賄容疑を視野に捜査。他の現職の接待についても、同国税局と連携し全容解明を進めている。
　関係者によると、細名容疑者が実質経営する税理士法人「ナイスアシスト」（大阪市）に所属する税理士が、特捜部の調べに対し「細名容疑者の指示で、複数の現職の税務署員やOBに飲み食いさせていた」と供述したという。この中には平良容疑者も含まれているとみられる。
　ただ、この税理士は「見返りまでは知らない」とも話しており、特捜部は他の所属税理士ら数人も集中的に取り調べている。