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<宝塚放火>「両親がうざいからやる」長女ら周囲に事件予告
2010 / 07 / 10 ( Sat )
 兵庫県宝塚市で9日未明、中学3年の少女が自宅に放火、父母と妹を死傷させたとされる事件。殺人未遂などの疑いで逮捕された長女(15)と同級生の少女(14)が「両親がうざいからやる」などと、周囲の生徒らに事件を予告していたことが分かった。長女は義父(39)らから厳しいしつけを受け、同級生も家庭内で義父との間にトラブルを抱えていた。学校内でも「浮いていた」という2人。親への反発と学校での孤独−−。そんな共通点を持つ2人に何が起こったのか。

 ■予兆

 「3年後にまた会おう」「明日、学校がどうなっても知らないからな」。事件前日の8日の昼休み。互いの自宅に放火し、家族を殺害しようとした2人は、教室でこう話し合っていた。周囲には「午前2時ごろに放火する」とまで予告。一部の生徒が2人の計画を知っていた。この時間帯に、自宅を見に行った生徒もいたという。

 長女は中学1年の3学期ぐらいから、仲間はずれにされることが目立ち始めた。周りの生徒たちとは違う外見を、からかわれることもあった。一方、同級生の少女は、茶髪にしたり、耳にピアスの穴を開けるなどしており、「派手な生徒」と受け止められていた。

 「浮いている」。それが学校での2人の共通点だった。

 ■家庭

 長女は義父と母(31)、小学4年の次女(9)の4人暮らし。ブラジルで生まれ、4歳の時、母親と来日した。宝塚市教委によると、長女が中1の時、家庭内でしつけをめぐるトラブルがあり、学校も入って話し合いをした。義父が長女に手を上げることもあり、本人は「虐待された」と思っていたという。ある生徒は「腕をまくったら、青あざが見えた」と語った。

 一方、同級生の少女は義父と母親、兄弟の5人家族。同級生の少女も周囲に「父親に殴られることがある」と漏らしていた。

 ある生徒は「2人に共通していたのは、親への強い反感と、学校での疎外感だった」と言う。「友だちが少ない者同士で仲良くなったのではないか。(長女が)前から親を恨んでいて、同じく親を憎んでいる少女に近づいたようだ」と話した。

 ■事件

 家族3人が死傷した中学3年の長女宅は木造2階建て。逮捕された2人は階段の壁に着火剤を塗った上で途中に毛布を置いて放火していた。このため、階段付近が猛烈な炎に包まれ、唯一の階下との通路を遮られた3人は逃げ切れなかったとみられる。

 病院搬送後に死亡した母親は、2階西側の和室であおむけに倒れていた。宝塚市消防本部の隊員はまず、この母親を発見して救出。屋外からの声で屋根の上に義父がいるのに気付き、救い出した。続いて隊員が廊下を隔てた東側洋室に人がいないかを調べて、2段ベッドの下段に次女がいるのを発見して救出した。

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