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放火2少女「親憎く、互いの家に火つけようと」
2010 / 07 / 09 ( Fri )
 「親が憎かった。お互いの家に火をつけようと約束した」。

 兵庫県宝塚市で9日未明に起きた、中学3年の女子生徒2人による自宅への放火・殺人未遂事件。1軒目に放火した2人は、徒歩で次の家に移動し、油をまいたところで、家族に気づかれた。これほどの凶行に駆り立てた「憎しみ」とは、何なのか。同級生や近隣住民に、恐怖と戸惑いが広がった。

 「子どもの友達が、親を殺してここに来たと言っています。怖いんです。早く来てください」

 宝塚市内の女性から、宝塚署にこんな通報があったのは、9日午前3時15分頃。署員が約30分後、女性の自宅に駆けつけると、玄関に女性の娘と友人の中学3年の女子生徒2人がいた。任意同行を求められると、2人は素直に応じ、そのまま署に向かったという。

 県警によると、2人は午前2時50分頃、うち1人の女子生徒(15)宅で階段に着火剤をまき、放火。その後、徒歩でもう1人の同級生の女子生徒(14)宅に向かい、2階の台所に火を放とうと食用油をまいた。

 だが、2軒目に火を放つ前、2人は自室で寝ていた同級生の兄(16)を起こし、「逃げろ」と伝え、異変に気づいた兄から母親へ、母親から警察へと、通報された。

 2人は取り調べに対し、容疑を認め、それぞれの親への憎しみを明かし、一緒に自宅を放火する計画だったことを明かしたという。

 同市教委や同級生らによると、15歳の女子生徒はブラジル出身で、幼い頃に来日したという。2人は中学1、2年時に同じクラス。現在は別のクラスだが、休み時間によく話をするなど、仲がよかった。

 おとなしく目立たないタイプという2人だが、事件前日の8日には、クラスメートらを前に、こんな話をしていたという。

 「3年後にまた会おう」「あした学校がどうなっても知らんで」

 話を聞いた男子生徒(15)は「火事のことを聞いて、まさかこんなことをするつもりだったとは、びっくりした。一体、何を考えていたのか」とぼう然とした様子だった。

 2人が通う中学は9日午前、緊急の全校集会を開催し、生徒に動揺しないよう、呼びかけた。その後、記者会見した校長は「2人とも、自分の気持ちを素直に表現してくれる生徒だっただけに驚いている」と話した。

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