党首討論会、「アベノミクス」巡り与野党が応酬

　第２３回参院選の公示を翌日に控えた３日、東京・内幸町の日本記者クラブで与野党９党党首による討論会が行われた。

　安倍政権の経済政策「アベノミクス」の評価をはじめとする経済再生の展望や、憲法改正を中心に議論が展開され、参院選の最大の争点であることを浮き彫りにした。

　自民、公明両党の与党が参院で非改選と合わせて過半数（１２２）を獲得し、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」が解消されるかどうかを最大の焦点に、１７日間の選挙戦の火ぶたが切られる。

　党首討論会では、アベノミクスの成否に関する評価について、与野党が激しい応酬を展開した。

　与党側は、安倍首相（自民党総裁）が「新しい政策によってＧＤＰ（国内総生産）がマイナスからプラスに大きく変わった」と実績をアピール。「参院選に勝って（衆参の多数派が異なる）ねじれを解消し、（景気回復の）実感を皆様の手に届けたい」と述べ、経済再生のためにも安定政権の実現が必要だとの立場を訴えた。公明党の山口代表も「国民のもとに実感をもたらすために、特に成長戦略を実行していくことが重要だ」と首相に同調した。

　これに対し、民主党の海江田代表は「国民の期待感を膨らませることには成功したが、副作用がある。生活破壊の恐れのある安倍政権から国民の生活を守る」と対決姿勢を鮮明にした。日本維新の会の橋下共同代表は「徹底した構造改革は、しがらみのある既得権に左右されるような政党にはできない」と訴えた。生活の党の小沢代表と社民党の福島党首は、アベノミクスのもとで国民生活が苦しくなっているなどと批判した。

　来年４月に予定している消費税率の８％への引き上げに関しては、首相は「消費税を上げて税収全体が減っては元も子もない。足元の状況を見ながら適切に判断したい」と述べ、引き上げ時期などを慎重に判断する姿勢を示した。消費増税凍結を主張しているみんなの党の渡辺代表が「Ｇ８サミット（主要８か国首脳会議）で消費税は予定通り引き上げると明言している。今の答弁はあいまいだ」と問いただしたのに対し、首相は「様々な経済指数を勘案しながら決めていくと同時に申し上げている。矛盾しない」とかわした。

　共産党の志位委員長は消費増税への反対論を展開、みどりの風の谷岡代表は凍結を唱えた。