メッセージ、全職員に医行為の研修実施へ

　サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などを運営するメッセージは22日の決算説明会で、有料老人ホームやサ高住に勤務するすべての介護職員が、痰の吸引や経管栄養を実施できる体制を目指し、研修を開始する方針を明らかにした。利用者獲得に向け、他社との差別化を図ることが狙い。

　現在、同社が運営するサ高住や有料老人ホームには、約6000人の介護職員が勤務している。メッセージでは、「まずは現場のキーマンを対象に、痰の吸引や経管栄養を実施するための研修を6月から開始する」(古江博社長)方針という。また、2015年までの中期的な取り組みとして、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間訪問サービス)の検証・事業化や、経営が悪化した有料老人ホームの再生事業などを挙げた。

■2013年3月期は増収減益

　メッセージがこのほど発表した13年3月期通期の連結決算は、売上高が前期比74.0%増の672億200万円、営業利益が8.9%減の53億4900万円と、増収減益だった。介護付有料老人ホームを運営する「アミーユ事業」の平均入居率が96.4%に達したほか、8施設の介護付有料老人ホームと、44施設のサ高住、37か所の24時間訪問サービス事業所を新設した影響などで利用者が増加し、売り上げは順調に伸びた一方で、新規開設に伴う先行投資や人材育成による労務費の増加が響き、収益は減少した。　　

　14年3月期通期の業績予想は、売上高が前期比10.1%増の740億円、営業利益が23.3%増の66億円を見込んでいる。この期間にメッセージが開設を予定しているのは、介護付有料老人ホーム1施設(40室)、サ高住29施設(1589室)、24時間訪問サービス20事業所、居宅介護支援7事業所、グループホーム5か所、訪問看護5事業所など。【ただ正芳】