＜長野・山岳遭難＞新たに３遺体収容　５人の身元確認

　長野県警は６日、ゴールデンウイーク中に起きた５件の山岳遭難事故について、新たに３人の遺体を収容し、５人の身元を確認した。

　白馬村の北アルプス・白馬（しろうま）岳（２９３２メートル）の大雪渓で雪崩に遭い、山口市の男性２人が行方不明になっていた遭難事故で、県警大町署は６日、雪崩跡で捜索を続けていた宇部山岳会（山口県）の会員が午前９時１０分ごろ、雪中から１遺体を発見したと発表した。同署はその後、遺体の身元を山口市黒川、県職員、今井厚さん（５０）と確認した。

　今井さんは、４月２７日に起きた雪崩に巻き込まれたとみられ、他に山口市の男性（３２）が行方不明になっている。

　さらに同署は６日、大町市の北ア・爺ケ岳（２６６９メートル）で５日、南尾根を下山中に滑落し死亡した男性の身元について、千葉県市原市潤井戸、国立大職員、飛鋪（ひしき）真さん（５５）と確認した。また、北ア・鹿島槍ケ岳（２８８９メートル）の北股本谷（きたまたほんたに）の上部斜面で雪中に埋まっていた男性遺体を収容。身元を埼玉県和光市新倉２、団体職員、清水繁さん（６２）と確認した。清水さんは４月２９日朝、山荘を出発した後、行方不明になっていた。

　一方、長野県警木曽署は６日、上松町の中央アルプス・宝剣岳（２９３１メートル）で５日、滑落し死亡した男性の身元について、横浜市泉区中田南、会社員、中谷正明さん（５８）と確認した。

　また、県警駒ケ根署は６日、駒ケ根市の中央アルプス・空木（うつぎ）岳（２８６４メートル）の池山尾根大地獄付近で、東京都板橋区成増４、会社員、加藤征（まさる）さん（７１）を救助したが、死亡を確認した。加藤さんは５日、尾根を下山中に滑落し、同行者が救助を要請していた。【巽賢司】