服役中に暴力団脱退の２７％、出所後再び組員に

　服役中に暴力団を抜けた元組員のうち、少なくとも２７％が、出所後再び、組員になっていたことが１８日、警察庁の調べでわかった。

　同庁は、刑務所を出ても働き口を見つけられないことが一因として、元組員の社会復帰を支援するため、企業に対して積極的な雇用を働きかける。

　調査は昨年８月、警察の支援で２００９～１１年に暴力団を脱退した１２５４人を対象に実施した。８１７人が出所しており、うち２２２人は組事務所へ出入りしていることなどが確認された。所在がつかめなくなった元組員もいたという。

　一方、警察などの支援で就職できた元組員は、１１年までの３年間で４４人にとどまった。警察庁は「暴力団からの脱退に力を入れてきたが、社会復帰の手助けは手薄だった」と判断。不況の影響もあって元組員の採用に応じる企業は減少しており、雇用に伴って負担を軽減できる制度などをさらに周知することにした。