＜傷害容疑＞逮捕の元Ｊリーガー、永久追放へ　岐阜県協会

　岐阜県大垣市のサッカークラブで、コーチが中学２年の男子生徒（１３）を蹴って両腕を骨折させた事件を受け、岐阜県サッカー協会は１４日に理事会を開き、コーチで元Ｊリーグ選手の同県大垣市藤江町、西脇良平容疑者（３３）＝岐阜県警が傷害容疑で１１日逮捕＝の処分を決める。協会幹部によると、最も重い「永久追放」になる見通しで、上部団体の日本サッカー協会に報告され、承認されれば正式に処分が決まる。

　県サッカー協会は今月８日、日本サッカー協会などを通じて今回の事態を把握。逮捕前に西脇容疑者と被害生徒の父親（４２）から事情を聴いていた。西脇容疑者は合宿中に、参加した約２０人の前で蹴ったと説明し、「ふがいない試合内容だったため、生徒の尻を左右から７、８回、ボレーキックした。生徒が手で尻をかばおうとしたため両手が蹴られる形になった」と話したという。生徒が痛みを訴えたため冷却するよう指示したが、「帰りにカバンを手で持っていたので大丈夫だと思った」として病院には連れて行かなかった。

　県協会は２年ほど前、西脇容疑者が指導する際に厳しい言葉があったとして注意。被害生徒の父親が協会の調査に「他の生徒も暴行の被害にあっている」などと指摘していることから、協会は、恒常的に体罰が横行していた可能性もあるとみている。

　一方県警は、西脇容疑者の体罰が恒常的だったか、他に暴行を受けた生徒がいたかなども含め、詳しい状況を調べている。【道永竜命】