モンゴルに４２億円借款、首脳会談で表明

　【ウランバートル＝田島大志】安倍首相は３０日、モンゴルの政府庁舎でアルタンホヤグ首相と会談し、両国の経済連携協定（ＥＰＡ）交渉を加速することで合意するとともに、両国に米国を加えた３か国の枠組みで政策対話を行うことで一致した。

　日本の首相によるモンゴル訪問は２００６年の小泉首相以来、７年ぶり。

　会談で安倍氏は、〈１〉モンゴル最大の火力発電所の整備に４２億円の円借款を供与〈２〉大気汚染問題への技術支援〈３〉モンゴル南部にある世界最大級のタバントルゴイ炭田の開発計画への参加――など日本の経済協力策を盛り込んだ「エルチ（モンゴル語で「活力」の意味）・イニシアチブ」を表明した。

　アルタンホヤグ氏は歓迎する意向を示した。

　会談後の共同記者会見で、安倍氏は、尖閣諸島を巡る問題などで対立が深まる中国との関係について、首脳会談で説明したことを明らかにした。そのうえで、「個別の問題があっても、日中関係全体に影響しないよう、中国はコントロールすべきだ」と語った。