響く警報、頭にターバン巻き脱出…生存者証言

　日揮の川名浩一社長（５４）らは２５日、横浜市の本社で記者会見し、アルジェリア東部イナメナスのプラントが武装勢力に襲撃された時の様子について、最初に無事が確認された３人の駐在員のうち１人から聞き取った内容を明らかにした。

　１６日午前５時４０分頃、キャンプ（居住区域）でサイレンが鳴り響いた。自室にいたこの駐在員は、「ステイ・ルーム（部屋にいろ）」という声を聞いた。外では銃声が鳴り響き、近くの部屋から、「オープン・ザ・ドア（ドアを開けろ）」という声が聞こえた。

　午前９時頃にはヘリコプターの音が聞こえ、「軍隊が助けに来た」と思った。しかし、助けはないまま、日中は銃声が続いた。

　翌１７日午前９時４５分頃になって窓の外を見ると、日揮のアルジェリア人スタッフ数人の姿が見えた。声をかけると、「安全担当のスタッフが部屋をノックして確認しているので、それまで待て」と言われた。

　数分後に部屋がノックされ、「必要最小限の荷物を持ち、頭にターバンを巻き付け、首巻きで顔を隠すように」と言われた。スタッフらが駐在員を囲んで見えないようにして外に出て、下請け会社のキャンプに逃れた。知人宅で食糧と水をもらい、スタッフが警察に自分のことを伝えに行った。その後、近くに来た警察の車に２００メートルくらい走って乗り込み、アルジェリア軍のキャンプで保護された。