「土砂災害発生警報」新設へ＝住民に緊急避難を呼び掛け―5段階で警戒・気象庁など

　気象庁と国土交通省は16日開いた検討会で、台風や豪雨、地震などで土砂災害が発生した場合に出す「土砂災害発生警報」（仮称）を新設する方針を固めた。発生警報が出ると、自治体は周辺住民に避難を指示し、山の斜面から離れた場所や自宅2階に「緊急避難」を呼び掛ける。
　今後、別の検討会で警報の名称や必要な体制、基準を詰める。土砂崩れや地滑りなどを観測するセンサー網の設置や法整備が必要なため実施時期は未定だが、早期の導入を目指す。
　二つの検討会で座長を務める田中淳東京大総合防災情報研究センター長は会合後、「緊急避難は津波の場合なら、今すぐ高い所へ逃げろという状況。とにかく少しでも安全な場所に避難してほしい」と目的を説明した。
　気象庁などは、土砂災害の警戒レベルを3段階から5段階程度に増やす方向で検討しており、発生警報はトップのレベル5に位置付ける。