＜名古屋３人殺害＞防御創なし、就寝中に襲撃か

　名古屋市西区比良３、不動産会社経営、早川澄雄さん（６８）方で１２日、澄雄さんと妻律子（のりこ）さん（６４）、律子さんの母静枝さん（８４）の３人が遺体で見つかった殺人事件で、３人は１１日深夜から１２日未明にかけて殴られたり首を絞められたりしたとみられることが、愛知県警の調べで分かった。身を守ろうとする時にできる傷はほとんどなく、就寝中に襲われたらしい。県警は殺人容疑で西署に捜査本部を設置。連絡が取れない同居の長女（３９）が事情を知る可能性があるとみて捜している。

　家の中から血のついた長女のものとみられる衣料品が見つかり、長女用の高級外車は同日午後、自宅から北東約１５キロの同県小牧市の山中で発見。携帯電話は自室に残されていた。長女は澄雄さんの会社に勤めている。

　捜査本部によると、澄雄さんは２階建て住宅の２階寝室で既に死亡。パジャマ姿で頭に複数回殴られた痕があり、家に血のついた鈍器があった。律子さんは部屋着で１階居間のソファに、静枝さんはパジャマ姿で１階寝室のベッドに倒れていた。律子さんの首にはネクタイが巻かれ、静枝さんの傍らにもネクタイがあった。捜査本部は３人を司法解剖して死因を調べる。

　長男（３５）は西区の別の場所に住んでおり、捜査本部に対し「１１日夜に４人と外食した」と説明。１２日朝に家族が誰も不動産会社に出勤して来ないため実家を訪ね、玄関が施錠されていたため、無施錠の窓から入ったという。【岡大介、沢田勇】