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<富山夫婦殺害>容疑の警部補の借金、県警調査で見逃す
2012 / 12 / 24 ( Mon )

<富山夫婦殺害>容疑の警部補の借金、県警調査で見逃す

毎日新聞 12月24日(月)21時25分配信

 富山市の会社役員夫妻が10年4月に殺害され、自宅を放火された事件。発生当時、富山県警は別の不祥事を受け、職員の悩み事や借金の状況を確認する「身上把握の徹底」を表明していたにもかかわらず、加野容疑者が07年ごろから、二百数十万円の借金を抱えていたことを把握できていなかったことが分かった。加野容疑者の自己申告をうのみにして借金を見逃したかたちで、県警は身上把握の方策を抜本的に見直す方針だ。

 身上把握は不祥事の未然防止のために、春と秋の年2回実施。家族構成や健康上の悩み、借金状況などを自己申告カードに記載させ、上司が面接で不審な点がないかを確認する。借金については時期や理由、借入先、完済予定を報告する決まりだった。加野容疑者は毎回、住宅ローン以外は記載せず、面接でも把握できていなかった。

 県警は事件発生の12日前の10年4月8日、女子高生のスカート内を盗撮したなどとして別の警部補(当時)を停職3カ月の懲戒処分にし、再発防止策として、身上把握を徹底するとのコメントを発表した。自己申告カードの提出や面接は以前からあったが、不祥事を受けて面接の回数を増やしていた。

 また、加野容疑者は事件の5カ月後の10年9月中旬ごろ、自宅で睡眠導入剤を服用して自殺を図ったが、県警は健康や家族についての悩みが原因と認識し、借金まで確認していなかった。県警幹部は「今回は全く組織として事件の兆候を把握できず、事件を防げなかった。抜本的に身上把握の仕組みをゼロから検討したい」としている。【大森治幸、成田有佳】



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