＜尼崎連続変死＞橋本さん監禁時、李容疑者が手足縛る

　兵庫県尼崎市の連続変死事件で、死亡した橋本次郎さん（当時５３歳）が監禁された際、殺人と逮捕監禁の両容疑で再逮捕された角田（すみだ）美代子容疑者（６４）のいとこ、李正則容疑者（３８）に手首と足首をひもで縛られていたことが、捜査関係者への取材で分かった。監禁直前に同居人とトラブルを起こした橋本さんに対し、美代子容疑者が自ら暴行するほど激高したといい、兵庫・香川県警合同捜査本部は、李容疑者が美代子容疑者の意向をくんで縛ったとみて、監禁実態の詳細を調べている。

　捜査本部は５日午後、橋本さんへの殺人と逮捕監禁の両容疑で、美代子容疑者の義妹の三枝子（５９）＝橋本さんの死体遺棄罪で起訴＝と養子の健太郎（３０）＝同＝の両被告を逮捕した。三枝子容疑者は「間違いない」と認め、健太郎容疑者は「分かりません」と否認しているという。逮捕者は計７人となった。

　捜査関係者によると、美代子容疑者は李容疑者とともに橋本さんに暴行を加えた後、「入れておけ」と監禁を指示。これを受け、李と仲島康司（４３）の両容疑者が美代子容疑者の自宅のバルコニーに設置した物置に閉じ込めたという。橋本さんはほぼ身動きのとれない状態で放置されたとみられる。

　過去にも親族らが物置に監禁されたことがあったが、その際はおにぎりや甘いコーヒー、砂糖水などを与えることもあったという。しかし、橋本さんのケースでは、美代子容疑者の怒りが激しかったため、捜査本部は美代子容疑者の指示があるまで食べ物などを与えなかった可能性もあるとみて調べている。【山川淳平】