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<公務員退職管理>「現役の天下り」を容認 改革に逆行
2010 / 06 / 22 ( Tue )
 政府が策定中の国家公務員の出向や再就職の指針などを盛り込んだ「国家公務員退職管理基本方針」の全容が21日、明らかになった。近く閣議決定する。毎日新聞が入手した原案によると、官庁人事の停滞回避や、公共部門での知見の活用を根拠に、独立行政法人などに公務員が出向する「現役の天下り」を容認。次官や局長レースに敗れた高級幹部の受け皿として上級の「専門スタッフ職」を新設するなど公務員に手厚い内容となっている。【三沢耕平】

 政府関係者は「公務員に定年まで能力を発揮してもらうため」と説明。退職後の官僚OBが特殊法人や独法などに天下りを重ねる「渡り」などとは違う点を強調する。

 しかし、民主党は昨夏の衆院選マニフェスト(政権公約)などで官僚の天下り根絶など公務員制度改革をアピール。官僚OBの天下りに加え、各省庁の既得権の温存などにつながりかねない現役官僚の政府系機関への出向なども厳しく制限する方針を示してきた。それだけに、従来の改革姿勢に逆行するような菅政権の「基本方針」に批判も出そうだ。

 「基本方針」は、現役官僚の独法や特殊法人などへの出向を「法人側のニーズがあること」を条件に容認。鳩山前政権は昨年末、独法の役員ポストへの天下りを原則禁止し公募で選ぶ方針を決めたが、今回は「(省庁からの現役)出向の場合、公募の対象にしないことができる」と明記。さらに、政策に関する調査や研究に限って認められている公益法人への現役官僚の出向についても「公共性が高い法人」を前提に拡充する。

 一方、次官や局長コースから外れたキャリア官僚に対する早期退職勧奨(肩たたき)について、民主党は昨夏の衆院選で「禁止」を打ち出した。しかし、「基本方針」は、国家公務員の総人件費抑制を優先し、各省庁が再就職のあっせんを行わないことを条件に「肩たたき」を認めることにした。

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