自民の政権公約に「教育再生」、民主を強く意識

　２１日に発表された自民党の政権公約には、民主党の政策や組織の特徴を否定した、選挙戦術の側面を強く意識した内容も目立つ。

　首相在任中にも力を注いだ教育分野で、安倍総裁は「強力な教育再生の原動力となる政策を書いた。６・３・３・４制を見直し、単線から（飛び級など）複線化していく抜本的な改革に取り組む」と胸を張った。

　民主党が２００９年の衆院選政権公約（マニフェスト）で掲げて実現した高校授業料の無償化に関しては所得制限を設けると明記。無償化は、自民党内にも「多くの子どもが高校に進学する中、授業料の国負担は正しい」と評価する声もあったが、「カネをばらまくだけで理念がない」（下村博文党教育再生実行本部長）と軌道修正を図ったものだ。

　教科書検定を巡り、中国や韓国など周辺国に配慮する「近隣諸国条項」の見直しも盛り込んだ。「国を愛する心を育てる教育」のためという。民主党の輿石幹事長が日教組の組織内議員であることなどを念頭に、「日教組の影響を受けている民主党に、真の教育再生はできない」とも記した。

　岡田副総理が国家公務員の新規採用の大幅抑制を主導したことに関しては「無定見な採用抑制には反対」とし、野田政権が閣議決定した、新たな人権救済機関を設ける人権委員会設置法案には「断固反対」とした。人権侵害を理由に通常の言論や表現活動まで調査対象になるとの懸念があることを踏まえたものだ。