＜反日デモ＞スポーツまで…バドミントン大会、中国側が棄権

　中国全土に広がった反日デモは、日中対立の歴史に刻まれた「９月１８日」に合わせて勢いを増し、政治とは離れた存在であるはずのスポーツでも交流停止の動きが判明した。東京都内で開かれたバドミントンの国際大会で、中国選手全員が棄権。日本側が安全面を考慮し、中国への選手派遣を見送る例も出た。文化・経済などその他の分野の交流も中止・延期が相次ぐ中、歴史を乗り越えようと交流を重ねてきた関係者も胸を痛めている。【芳賀竜也、宮地佳那子、神保圭作】

　中国選手が棄権したのは、東京・代々木競技場で１８日開幕した国際大会「ヨネックス・オープン・ジャパン」。日本バドミントン協会によると、世界連盟から１４日、「今の状態では日本には選手を派遣できない。政府ではなく（中国）協会の判断だ」と、中国側の説明を伝えられた。中国側から日本側へ直接連絡はなく、選手２２人らの宿泊先のホテルも予約されたままという。

　一方、日本トライアスロン連合は１８日、中国・山東省で２３日に開かれる「アジアロングディスタンス選手権」への日本代表選手らの派遣を中止したと発表した。

　大会に１１人の選手や役員を派遣する予定だったが、大会主催者から「安全の保障ができない」とのメールが届いたため断念した。

　同連合の大塚真一郎専務理事は「室内競技ではなく、コース全てを守ってもらえるかわからないので派遣を取りやめた」と話した。

　各分野の交流中止・延期の動きも続いている。都内で今月末に開催予定だった、日中両国の大学や研究機関が交流する「第３回日中大学フェア＆フォーラム」に関し、主催する科学技術振興機構は１８日、延期を発表した。担当者は「中国から参加予定の個人や団体からキャンセルが相次ぎ、延期せざるをえなかった」と話した。

　また、新潟県も同日、新潟市で２３～２４日に予定されていた新潟、宮城、福島、山形４県と中国４省区の経済交流協力会議の延期を発表した。