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<大相撲>協会、野球賭博で外部調査チーム設置
2010 / 06 / 16 ( Wed )
 大相撲の大関・琴光喜関(34)らが野球賭博に関与した問題で、日本相撲協会は16日、外部の有識者による調査チームを発足させた。この日、野球賭博をしたことを自己申告した29人に、部屋持ちを含む複数の親方や、琴光喜関以外の幕内力士が含まれていることが判明。協会を所管する文部科学省からは事態の全容解明に向けた徹底調査を行うよう指導された。

 ◇文科省、全容解明を指示

 この日、協会の陸奥広報部長(元大関・霧島)らが文科省を訪れ、前日の緊急理事会で琴光喜関が名古屋場所(7月11日初日)の出場辞退を申し出、了承されたことや、賭け事をしたと申告した36人を含めた65人を厳重注意としたことを報告、謝罪した。

 対応した文科省の芦立訓・競技スポーツ課長は、外部有識者による調査チームを設置し、調査結果については可能な限り公表するように求めた。また協会は琴光喜関以外の力士の氏名などを明らかにせず、名古屋場所にも出場させる方針を示していたが、「詳しく調査しない段階で土俵に上げるのは、社会の理解を得られない」と、休場させることも検討するよう促した。

 これを受け、協会は協会外部理事・監事を中心に調査チームを発足させた。メンバーは東大名誉教授の伊藤滋理事や元警視総監の吉野準監事ら協会外部の7人に、陸奥部長らが加わる予定。

 また17日発売の「週刊新潮」で、大嶽親方(元関脇・貴闘力)と幕内力士の豊ノ島関(26)が野球賭博に関与したと報じられることがわかった。陸奥部長は「記事に出た協会員は調査チームで聴く」としており、近く事情を聴取する。豊ノ島については師匠の時津風親方(元幕内・時津海)が16日、「協会に任せているので、何も話せない」とコメントした。【藤野智成、大矢伸一】

 ◇「進退考えるべきだ」…識者から怒りの声

 相次ぐ不祥事に加え、野球賭博問題が広がりを見せ、「国技」への愛着を語ってきた識者らからも激しい怒りの声が出ている。

 元NHKアナウンサーで東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博さんは「野球賭博は、暴力団の影が色濃く見える問題。ここ数年の不祥事と比べても、ことの重大さが違う」と指摘し、「大関は範を示さなければならない立場。出処進退を考えるべきではないか」と話した。

 一方、漫画家で元日本相撲協会生活指導部特別委員のやくみつるさんは、協会の対応について「週刊誌が報じたから、仕方なく対応しているという印象だ」と批判し、「必要なのは猛烈な自己批判。これまでの一切をつまびらかにすることだ」と話した。【渡辺暢】

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