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野生ザル「スノーモンキー」商標騒動が決着
2010 / 06 / 11 ( Fri )
 雪の中、温泉をのんびり楽しみ、「スノーモンキー」として親しまれている長野県山ノ内町の野生ザル。この「スノーモンキー」という呼称を、地元ホテル3社が商標登録していたことが9日、分かった。

 町内からは「独占は良くない」という声が上がり、町がこの商標を承継することになった。

 野生ザルは、同町平穏の「地獄谷野猿公苑」付近に約200匹が生息。露天風呂に入るという世界的にも珍しい習性が海外でも広く知られ、多くの外国人観光客が訪れている。

 特許庁や山ノ内町観光商工課によると、地元ホテル3社は昨年11月、「スノーモンキー」「雪猿(ゆきざる、せつえん)」の呼称について商標登録を出願。指定商品・サービスは菓子、パン、弁当、主催旅行の実施などとなっている。

 ところが、温泉街と地獄谷野猿公苑入り口を結ぶバス「スノーモンキーホリデー観にバス」を運行している運営協議会などが「この名前で運行できなくなる」「ずっとみんなで使ってきた呼称なのに」と反発。

 当初は関係者で話し合っていたが、3月の町議会で多くの議員が取り上げたため、竹節義孝町長が3月、3社と協議。「町が商標を受け継いで、観光振興のために広く使いたい」と申し入れたところ、3社側も「地元以外の無関係の人が商標を取る動きがあったから出願した。独占したり、金もうけをしたりするつもりはない」と、了承したという。

 商標は4月に登録された。7月下旬までは特許庁に異議申し立てができる期間のため、町はその後に、正式に商標を承継する。町議会は9日、商標を承継するための事務委託費30万円を含む補正予算案を可決した。

 承継後は、町内の業者が自由に使えるようにする方針で、竹節町長は「スノーモンキーは世界に誇れる観光資源。地元でいざこざを起こさず、みんなで仲良く使ってもらいたい」と話している。

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