小沢新党に冷淡・警戒感…大規模再編引き金に？

　社会保障・税一体改革関連法案の衆院採決に反発する民主党の小沢一郎元代表が新党結成の検討を表明したことは、大規模な政界再編の引き金を引くとの見方が出ている。

　党内では警戒感と冷淡な見方が交錯している。

　「野田首相も入った（小沢氏との）２回の会談で『党を割らない』『今、選挙をやれる状況ではない』と確認している」

　民主党の輿石幹事長は２１日午後の記者会見で、小沢氏の離党はない、との見方を強調した。輿石氏は同日午前、小沢氏と会い、採決で反対する考えを伝えられた。しかし、会談で離党の話題が出たかと問われると「あるはずがない」と強く否定した。

　輿石氏はこれまで、首相周辺や自民党などから「一体改革関連法案成立のために与野党協議を進めたい野田首相の方針と食い違う」と批判されながら、党内融和を最優先してきた。小沢氏の離党は、その戦略の破綻を意味する。輿石氏はこの日、同党議員に聞かれても「小沢さんは離党なんてしない」と繰り返した。

　小沢氏は最近、消費増税への反対に加え、野田首相が進める原発再稼働にも批判を強めてきた。党内では、「次期衆院選で『小沢新党』が反消費税や脱原発を掲げれば、一定の支持を得る可能性がある」と警戒する声が出ている。橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」も既成政党批判を強めており、政界再編につながるとの見方もある。