＜社会保障法案＞民主、自民案の修正提示　首相指示で譲歩

　民主党は１３日、税と社会保障の一体改革関連法案に関する自民、公明両党との修正協議で、自民党のまとめた「社会保障制度改革基本法案」の修正案を提示した。自民党は基本法案の受け入れを修正合意の条件としており、野田佳彦首相は１３日の政府・民主党三役会議で「自民党案をしっかり受け止め、我々の考えを打ち返していくように」と基本法案についても修正協議に入るよう指示。消費増税法案など政府提出７法案とセットで成立を図る方針を示した。

　基本法案は現行制度の維持をうたっており、自民党案のまま受け入れれば、民主党が０９年衆院選マニフェストに掲げた最低保障年金などの撤回につながる。民主党の修正案は将来の制度設計について「政党間で協議する」とし、自民党案に設置が盛り込まれた有識者による「社会保障制度改革国民会議」を国会議員も参加する「社会保障制度改革推進会議」に改める内容。自公両党は党内に持ち帰って対応を検討する。

　これまでの修正協議では、民主党が総合こども園の撤回などの譲歩を重ね、社会保障分野では大筋合意に達している。基本法案の受け入れでも大きく譲歩すれば民主党内の反発が強まるのは必至。１５日までの合意を目指す大詰めの協議では、両党が基本法案の修正で折り合えるかが最大の焦点となる。

　自民党の茂木敏充政調会長は１３日の記者会見で「１５日までに結論を得るというのは（政府提出法案の）７本プラス基本法案の８本パッケージの合意だ」と強調。谷垣禎一総裁は基本法案の修正について「基本的な枝葉はのんでもらわないといけない」とけん制した。【念佛明奈、中島和哉】