森本防衛相、事務引き継ぎで田中氏に苦笑い

　民間出身の森本防衛相は５日、防衛省で自衛隊の栄誉礼を受けて初登庁し、仕事を開始した。安全保障分野の専門家として野田首相の信頼が厚く、実務能力への省内の期待も高い。政府は、国会対応などの面で森本氏を全面的に支援していく方針だ。

　森本氏は同日夕、田中前防衛相との事務引き継ぎの際、田中氏に「先週お会いした時には、こんなことになるとは思わなかった」と苦笑いした。５日に初会合が行われた防衛省の有識者懇談会で、森本氏は座長に内定、メンバーの人選などを田中氏と調整していたからだ。

　引き継ぎに先立つ着任式の訓示で、森本氏は、北朝鮮によるミサイル発射や中国の海洋進出などに触れ、「日本の安全保障環境は厳しさを増している。日米防衛協力のあるべき姿を模索し実現していきたい」と強調した。

　首相は５日昼、森本氏や防衛省幹部を首相官邸での昼食に招き、「政権として全面的にサポートする」とし、渡辺周防衛副大臣らに森本氏の支援を指示した。