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<関越道事故>安全管理に問題 バス会社社長を参考人聴取へ
2012 / 05 / 03 ( Thu )
 群馬県藤岡市の関越自動車道で46人が死傷した高速ツアーバス事故で、千葉県印西市のバス会社「陸援隊」=針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長(55)=は河野化山容疑者(43)を人手が足りない時のスポット運転手として日雇い的に使っていたことが分かった。道路運送法などは「日雇い」や「短期雇用」で運転手を従事させることを認めていない。群馬県警は同社の安全管理に問題があったとみて、近く運行管理者の針生社長から参考人として事情を聴く。

 すでに針生社長は国土交通省関東運輸局の特別監査に運行指示書を作成しないなど数十項目に上る法令違反を認めている。県警の調べでは河野容疑者は9カ月前から同社に勤務していたとされるが、実際には人手が足りない場合にかり出され、その都度報酬を受け取る「スポット運転手」だったことが同運輸局の調べで分かった。

 さらに河野容疑者は金沢発着の乗務は今回が初めてで、針生社長は往路については北陸出身の同僚社員を帰省を兼ねて同乗させていた。しかし、帰路にあたって河野容疑者が「一人で不安」と話したことから、同僚社員を富山県高岡市付近まで同乗させていた。県警は針生社長が、河野容疑者が夜間の長距離運転に不慣れなことを承知していたとみて、詳しい経緯を聴く。さらに同運輸局も陸援隊を行政処分する方針で資料などの分析を急ぐ。

 同社は外国人旅行者向けに成田空港を中心に東京や大阪などの観光名所を回るバス事業を専門としていた。しかし、福島第1原発事故の影響で、11年度の同空港の国際線を利用した外国人旅客数は592万5200人で前年度比3割減と大幅に減少。関係者は「陸援隊も半年ほど前から頻繁に長距離夜行バスの時間帯にバスを走らせ始めた」と証言。河野容疑者について「中国人向けの運転手から、夜間運転の仕事に変わり、変化に対応できなかったのではないか」と話している。

 県警は3日、河野容疑者を自動車運転過失致死傷容疑で前橋地検に送検した。【一條優太、田中裕之、角田直哉】

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