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<AIJ>8億円貸し付け…傘下の証券社長が証言 証人喚問
2012 / 04 / 13 ( Fri )
 AIJ投資顧問の企業年金消失問題で、衆院財務金融委員会の証人喚問は13日、終日行われ、同社の浅川和彦社長(59)に続き、傘下のアイティーエム証券(ITM)の西村秀昭社長(56)らが出席した。西村社長は厚生年金基金から解約が相次いだ後、AIJが実質的に支配するファンド管理会社にITMが8億円を貸し付けたことを証言。運用失敗を背景に、顧客への払い戻し資金が不足し、AIJ側が資金繰りに窮していた実態の一端が明らかになった。

 西村社長は運用実績が虚偽だと認識していなかったと改めて主張。解約払戻金に関しては、ITMからAIJ側のファンド管理会社に1~2カ月間程度、8億円を貸し付けていたことを認めた。西村社長は「昨年の3月か一昨年か記憶が定かではない」としつつ「解約が集中した月だったと思う。AIJ自体(の資産)が少し不足しているという説明だった」と証言した。

 年金専門の情報誌が09年2月、AIJを示唆して高い運用実績を疑問視する記事を掲載しており、午前中の証人喚問で浅川社長は、09年4月以降に解約が増加したと証言した。

 AIJは解約に対し、ファンドを取り崩さずに新規顧客からの受託資産を、二つの投資事業組合を通して払戻金に充てていたとみられることが既に明らかになっている。

 また、佐々木憲昭委員(共産)は、ITMの09~11年の接待交際費が2155万~1670万円と指摘。接待の相手先に「みなし公務員」である年金基金の役職員が含まれていることを踏まえ、西村社長は「営業マンは7人いて交際費の使い方に問題があるので減らした。ゴルフ接待を禁止し、1基金当たり半年で5万円を限度にした。常識の範囲内だったが、改めてチェックする」と述べた。

 証人喚問には厚生年金基金側にAIJを紹介した旧社会保険庁OBで年金コンサルタント会社経営の石山勲氏(75)も出席。金融商品取引法で登録が必要な助言業務を無登録で行っているのではないかとの指摘を受け「そういう認識はなかった。あくまで情報提供」と否定した。【町田徳丈、日野行介、武本光政】

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