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避難場所見直し進まず=7市町村のみ暫定対策―被災3県で326カ所浸水
2012 / 04 / 08 ( Sun )
 東日本大震災の大津波で浸水した指定避難場所について、変更や追加をした自治体は岩手、宮城、福島3県で7市町村にとどまることが分かった。3県で326カ所の指定避難場所が浸水したことも判明。震災から1年を過ぎても見直しは進んでいない。
 3県沿岸部のうち、東京電力福島第1原発事故で居住制限がある福島の5町を除く32市町村に取材した。津波の指定避難場所は震災時に計2032カ所あり、16%が浸水した。しかし、見直しを終えた自治体はなく、暫定的な対策を取ったのも7市町村だけだ。
 場所を変えたのは岩手県釜石市で、21カ所を指定から外し、高台の広場や施設を追加。昨年12月に公表した。
 福島県新地町は浸水した2カ所を指定から外す方針で、先行して高台に避難用プレハブを建てたり、別の場所への避難を指導したりしている。
 11カ所中8カ所が被災した宮城県多賀城市は、マンションやオフィスビルなど7カ所を加えた。高台がなく避難ビルとして使うためで、今年3月に民間と協定を結んだ。
 石巻市は浸水した施設のうち緊急避難に使える建物は当面活用するとし、暫定リストを3月に作成。仙台市は海岸近くを走る高速道路の5カ所に階段を取り付けた。岩手県田野畑村と大槌町は計8カ所を指定から外した。
 一方、指定避難場所の浸水がゼロの久慈市など3市町は変更の予定がない。残る22市町村は暫定対策も取っておらず、理由として、県と市町村の防災計画改定の遅れや、まちづくり計画との連動の必要性を挙げた。
 また、宮城県南三陸町は「浸水地域に居住者はいない」、岩手県大船渡市は「緊急時は高台に避難を呼び掛ける」と説明。福島県南相馬市は「原発事故の対応に追われ余裕がない」とした。 

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