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小沢氏、辞任に慎重なメンバー「切り崩し」か
2012 / 03 / 31 ( Sat )
 民主党の小沢一郎元代表グループの政務三役4人が30日、消費税率引き上げ関連法案の閣議決定に反発して辞表を提出したのは、法案に反対する元代表の考えを具体的行動で示そうという思いからだ。

 グループ幹部は当初、約10人の政務三役全員による「集団辞任」を描いたが、個々の判断が分かれ、不協和音が生じる場面もあった。しかし、野田政権を追い詰めようとする動きは収まっていない。

 牧義夫厚生労働副大臣は30日夜の辞表提出後、記者団に「政府の一員としてこの増税法案を説得する立場を続けることは困難だ」と強調した。

 小沢グループの鈴木克昌幹事長代理は30日、輿石幹事長に辞意を伝えた際、複数の党役員の辞表をまとめていた。輿石氏の慰留にあい、提出はしなかったが、週明けの提出を鈴木氏は検討している。辞めなかった政務三役の中からも「時期が来れば辞める」との声も出ている。

 政務三役の辞任問題を巡り、小沢元代表は側近議員を通じて「法案反対で筋道を通すためには、辞任すべきだ」との考えを政務三役らに伝えていた。だが、政務三役側には「国会の途中で辞めるのは得策ではない」との意見もあった。ここ数日、政務三役らは個別に何度も集まり、対応を協議。29日にはいったんは「集団辞任」を見送る方針を確認していた。

 これに対し、元代表は30日、国会内の事務所で政務三役らと相次いで会談。辞任に慎重なメンバーの「切り崩し」を図ったとされる。辞任しない意向だった黄川田徹総務副大臣とは1時間近く会談し、黄川田氏の「地元・岩手県陸前高田市の仮設住宅を訪問してほしい」との要請も受け入れたという。

 元代表が動いたのは、グループの結束力を問われる事態を恐れたためだ。今回の野田政権との対決で厳然たる力を見せつけることができなければ、4月下旬の裁判判決後に狙う「党員資格停止処分解除」による復権も不透明となる。元代表の「号令」が徹底されなかったことに、元代表側近からは「消費税法案の採決時に、処分覚悟で造反する議員がどれだけいるのか不安だ」との声も漏れた。

 ただ、党内の消費増税推進派からは「小沢元代表を甘く見てはいけない」(野田首相グループの議員)との声も出ている。

 前原政調会長も30日夜、札幌市内で記者団に「国政をあずかる我々が、内部抗争をしている場合ではない」と述べ、小沢グループの動きに警戒感を示した。

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