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公務員「持ち家手当」主要自治体の半数で存続 廃止要請から2年超
2012 / 02 / 19 ( Sun )
 大阪市の橋下徹市長が廃止の方針を決めたことで注目を集めた地方公務員の「持ち家手当」を、全国の都道府県と県庁所在地、政令市の計98自治体の約半数が、政府の廃止要請から2年以上たった今も存続させていることが19日、産経新聞の調査で分かった。制度廃止後も「経過措置」として支給を継続している自治体もあり、これを加えると調査した自治体の約3分の2で、持ち家手当の支給が続いていた。

 産経新聞は2月上旬から中旬にかけて、都道府県とその県庁所在地(政令市を含む)の計93自治体と、残りの5政令市を合わせた計98自治体に聞き取り調査した。

 総務省は平成21年8月、人事院の廃止勧告を受けて、同年度で国家公務員の持ち家手当を廃止。全国の自治体にも持ち家手当の廃止を要請した。しかし、調査の結果、現在も20都県と28市の計48自治体が手当を存続させていることがわかった。

 月当たりの支給最高額は神戸市の1万600円。次いで京都市の1万500円などとなっている。

 橋下市長が持ち家手当の廃止方針を打ち出した大阪市では、約3万8000人の職員のうち約2万1500人に年間約21億7000万円が支給されている。首都圏では、さいたま市が約4200人に約3億2000万円、横浜市は市長部局と教職員だけでも約9400人に約9億6000万円を支出している。

 手当の存続理由は「国と違って公務員の官舎がない」(札幌市)、「民間企業の支給状況を鑑みた結果」(京都市)など。中には「地方は地方で判断する」(金沢市)と廃止要請に不快感を示す自治体もある。

 持ち家手当の廃止に踏み切った50自治体のうち約3割にあたる16自治体は、廃止後も「経過措置」として猶予期間を設定。毎年、段階的に減額しながら手当を継続していた。

 例えば、3600円の持ち家手当を支給していた前橋市では23年3月に手当を制度上は廃止したが、その後も「経過措置」として毎年300~1000円ずつ減額しながら27年3月まで支給することになっている。埼玉県や千葉県、仙台市などでも、廃止後に減額しながら支給を続けている。

 手当を存続している48自治体と合わせると、3分の2に当たる64自治体で現在も持ち家手当の支給が継続していることになる。

 一方、手当の完全廃止に踏み切ったのは、岩手県や福島市など34自治体だった。

【用語解説】持ち家手当

 公務員に支給される住居手当のうち、自らが所有する家に世帯主として住む場合に維持管理費として支給される手当。自治体によって金額は異なる。国は平成21年の人事院勧告を踏まえ国家公務員の持ち家手当を廃止。総務省は21年8月、全国の地方自治体に廃止を要請した。

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