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妻と母殺害された山下さん、事件前の状況明かす
2011 / 12 / 27 ( Tue )
 長崎県西海市の山下誠さん(58)方で母の久江さん(77)と妻の美都子さん(56)が殺害された事件で、山下さんが27日、心境などをつづった文書を報道機関に寄せた。

 殺人容疑などで逮捕された筒井郷太容疑者(27)(三重県桑名市霞町1)が三女に繰り返していた暴力について、千葉県警から被害届の提出を「1週間待ってほしい」と言われたことなどを明かした。

 事件はその10日後に発生。山下さんは「この国で、だれが筒井容疑者のような危険人物から命を守ってくれるのか、今も分からずにいる」と不信感をあらわにした。

 山下さんは、報道各社が弁護士を通じて提出した質問書に文書で回答した。

 それによると、千葉県に住んでいた三女のマンションに筒井容疑者が押しかけ、壁をたたくような音がするとして、隣人から不動産業者に苦情が寄せられていた。三女と連絡が取れなかったため、同県警習志野署に通報。三女の勤務先の上司らが10月30日、署員とともにマンションの部屋に入った。

 その場にいた筒井容疑者は任意同行され、「三女には自分から連絡しない」との誓約書を書いた。

 しかし、山下さんが西海市の自宅に三女を連れ帰ると、筒井容疑者は三女の友人や職場の同僚に「三女の居場所を教えなければ殺す」との脅迫メールを送るようになった。習志野署に相談したが、「メールを受けた人が住んでいる管轄の警察に相談して」と言われた。

 三女は今月初旬、同署に「(傷害事件について)被害申告したい」と電話。同署は「いつでもいい」と回答し、三女と山下さんは6日に訪れたが、同署は「1週間待ってほしい」と告げた。

 2人が三女宅で待機していると、筒井容疑者が訪ねてきたり、周辺を徘徊したりした。同署に連絡したが、「(すぐには)逮捕できない」と言われた。

 山下さんは筒井容疑者の両親に「身柄を拘束し、携帯電話やパソコンを取り上げて脅迫メールを送らないようにして」と依頼。三重県警桑名署にも筒井容疑者の実家を巡回するよう求めたが、その後、何の連絡もなかったという。

 山下さんは「警察が逮捕してくれないのなら、私が筒井容疑者を捕まえるしかなかったのかと思う。警察からは(筒井容疑者に)『手を出すな』と言われたが、『黙って殺されろ』と言われたのと同じ」と主張。筒井容疑者を死刑にするよう求め、「今の法律では一般市民の生命を守ってくれない」と法の整備を訴えた。

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