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<大王製紙>元会長借り入れ問題 東京地検が本格捜査へ
2011 / 10 / 14 ( Fri )
 総合製紙大手の大王製紙の井川意高(もとたか)元会長(47)が子会社から総額80億円超の資金を個人的に借り入れて辞任した問題で、東京地検特捜部は会社法違反(特別背任)の疑いで本格捜査に乗り出す方向で検討を始めた模様だ。同社は9月、弁護士を中心にした特別調査委員会を設置して刑事告訴も視野に事実関係の解明を進めるとしており、オーナー企業トップによる巨額の借り入れが刑事事件に発展する可能性が出てきた。

 井川元会長は大王製紙の創業者の孫。07年6月から社長を務め今年6月に会長に就任したが、問題が発覚した9月に辞任した。

 大王製紙の発表や関係者によると、井川元会長は子会社7社から10年度に約23億5000万円、今年4~9月に約60億円を借り入れた。このうち約30億円は9月までに返済済みという。子会社7社側では、取締役会の決議や貸借契約書など必要な手続きを踏まずに多額の資金を貸し出していたケースが多数見つかったとされる。

 大王製紙は9月7日に関連会社の総務担当から「オーナーへの貸し付けはいかがなものか」と内部通報のメールを受け、52の全子会社を調査。聞き取り調査に井川元会長は借り入れの事実を認めたが、使途については「今は言えない」などと回答を拒んだという。

 元会長辞任に伴い9月16日に記者会見した佐光正義社長は「オーナーだから貸したというのがあるかもしれない」などと説明。刑事告訴の可能性について言及していた。

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