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岩手・大槌町で合同供養祭、海に向かって黙とう
2011 / 09 / 11 ( Sun )
 東日本大震災から半年を迎えた11日、死者・行方不明者が1300人以上に上った岩手県大槌町の大槌港で、海の犠牲となった町民らを追悼する合同供養祭があった。

 参列者は菊の花を一本ずつ手にとり、涙ぐみながら海に手向けた。

 大槌港のある赤浜地区では93人が死亡・行方不明となった。地区内の漁師らが、ワカメの養殖やサケの定置網など本格的な漁を再開するのを前に、犠牲になった漁師仲間らを供養しようと営んだ。ほかの地区の住民も参列し、約350人が集まった。

 碇川豊町長が、「大槌町始まって以来の難局だが、町民一人一人の奮闘で乗り越えられると信じている」とあいさつし、地震発生時刻の午後2時46分、全員が海に向かって黙とうした。その後、献花用に震災後から贈られ続けている瀬戸内海・小豆島の菊の花を、一人ひとりがみなもに浮かべては、手を合わせた。

 菊とともに千羽鶴を手向けた中村裕美さん(53)は、一緒に暮らしていた父と弟を津波で失い、今は仮設住宅で独り暮らし。「震災の後、何がなんだか分からず毎日が過ぎたが、半年たって、家族がいないんだと実感し始めている。くよくよせず、早く元に戻ることが何よりの供養」と静かに話した。

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