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福島の学習塾、独自に除染へ 背景に厳しい子供の減少
2011 / 09 / 09 ( Fri )
 福島県内最大手の進学塾「ベスト学院」(郡山市)が、独自に教室や駐車場などの除染を今月10日から始めることが8日、分かった。放射線の内部被曝(ひばく)への不安から小中学生の県外流出が続いているための措置で、すでに除染用の機器を購入したり、臨時スタッフを雇用するなどの準備を進めている。(中川真)

 「ベスト学院」は小、中学生、高校生向けに県内各地で67教室を運営している。被災者など5人を専門スタッフとして臨時雇用し、除染用の高圧洗浄機を載せるワゴン車も購入した。

 スタッフは10日から約1カ月間ですべての教室を一巡し、建物の入り口周辺や駐車場を中心に除染を行う計画だという。その後も除染活動を継続する。学校の除染は各地で行われているが、学習塾では初の取り組みとみられる。

 ベスト学院では4、5月に続き、今月と来月に被災者の子弟の月謝を無料にする施策も打ち出している。細谷松雄学院長は「できるだけ県内で目標校に進み、将来は郷土の復興に貢献できるリーダーに成長してほしい」と話している。

 同学院は「避難者の中には避難先の会津などの教室に入塾する生徒も多く、直近の生徒数は前年並みに回復した」(経営企画室)としているが、東日本大震災と福島第1原発事故が起きた3月には、「2月の3600人から1割近く減少した」(同)という。

 「新学期目前で毎年、年間入塾者数の3割が集中する」(同)という3月に、授業休止や生徒の避難が重なったためだ。いわき市、南相馬市、富岡町の4教室では、閉鎖や新規開校の延期を余儀なくされた。

 このため、約1億3千万円の損害賠償を東京電力に請求し、250万円の仮払いを受けている。また、今春採用者など8人を、交流を持つ千葉県、大阪府の塾に出向させた。

 中小や個人塾では、さらに苦戦を強いられており、福島の子供の減少は学校外にも波紋を広げている。

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