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<東日本大震災>防災センター避難で犠牲 釜石市検証へ
2011 / 09 / 05 ( Mon )
 東日本大震災で、避難場所に指定されていなかった岩手県釜石市の「鵜住居(うのすまい)地区防災センター」に多くの住民が避難し犠牲になった問題で、市は当時の状況を調査し、問題点を検証する方針を決めた。遺族から「避難場所が周知されていなかった」と批判が上がっているため。野田武則市長は「きちんと報告し、次の対応を示すことが一つの責任の取り方」と話している。

 市によると、防災センターには約100人が避難。津波は2階建ての建物上部にまで達し、これまでにセンター内部と周辺から計68遺体が見つかった。生存者は26人だった。

 ◇津波の避難場所ではなかったが

 センターは津波の避難場所ではなく、津波で家を失うなどした被災者が中長期的に滞在する「拠点避難所」に指定されていた。本来の避難場所はより高台にある鵜住(うずみ)神社などだった。しかし震災8日前に実施された避難訓練では、足の悪い高齢者がいたことなどから市と町内会が協議してセンターを避難場所と設定。住民101人が参加した。「いざとなったらセンターへ行こう」と考えていた住民は少なくなかったという。

 市幹部によると、センターへの避難を巡る調査・検証は、近く設置する防災関係の委員会の中で進め、一部調査は外部のコンサルタントにも委託する。委員会自体は全体の防災体制・避難状況を検証する方針だが、野田市長は「鵜住居地区防災センターは特化して調べる」と話している。年度内にも報告書をまとめる予定という。【池田知広】

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