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海江田氏、なぜ敗れたのか…1回目投票で1位
2011 / 08 / 29 ( Mon )
 29日の民主党代表選は、1回目の投票で1位だった海江田万里経済産業相を、野田佳彦財務相が決選投票で破る大逆転劇となった。

 野田氏は、下位の陣営とどのように連携を組んだのか。党内最大の小沢一郎元代表グループの支援を受け、基礎票で優位に立っていた海江田氏はなぜ敗れたのか。逆転の構図を検証する。

 ◆糾合◆

 「決選投票になったら、『非海江田』で票を集中させたい」

 29日朝、国会内で開かれた菅首相グループの会合。座長の江田法相は約30人の出席者にこう呼びかけ、了承を取りつけた。

 菅グループは、代表選の対応を自主投票としていたが、菅首相の意向もあり、「反小沢」では一致していた。党内では「海江田氏が1位となるものの、過半数には至らない」との見方が大勢だった。

 「野田氏と前原誠司前外相の陣営はともに票の上積みに必死で、決選投票となった場合の戦略を立てるに至っていない」と見た江田氏は、野田、前原両陣営に「決選投票では野田、前原両氏のいずれか上位となった候補に投票する」という「海江田包囲網」を事前に打診し、両陣営も「当然の行動」と受け止めた。

 野田グループも独自に「多数派工作」に動いた。

 野田氏の選対本部長を務める藤村修幹事長代理は29日朝、鹿野氏の選対本部長である大畠国土交通相に対し、決選投票での「野田、前原、鹿野連合」の実現を要請した。

 鹿野陣営には小沢グループの議員も多かったが、告示後には会合に顔を出さなくなったため、鹿野陣営は「小沢グループの引きはがし方はひどい」(大畠氏)と反発を強めていた。藤村氏の要請は、鹿野陣営に「あうんの呼吸」で受け入れられた。29日夜、鹿野陣営は、東京・赤坂の中華料理店で開いた「打ち上げ」に駆けつけた藤村氏を大きな拍手で招き入れた。

 前原グループでは、仙谷由人代表代行(官房副長官)が、藤村氏や、小沢元代表を党員資格停止処分に追い込んだ岡田幹事長と連絡を取り合い、決選投票での糾合に力を入れた。

 「行司役」という立場から表立った行動は控えていた岡田氏は、代表選終了後、周辺に笑顔でこう語った。

 「僕らが描いたシナリオ通りになったな」

 ◆誤算◆

 小沢元代表グループも露骨な多数派工作を行った。

 「決選投票では海江田氏をお願いしたい。海江田氏に入れてくれれば、あなたの政務三役入りは約束する」

 元代表の側近は、参院の中堅議員にポストを示して、支持を求めた。

 29日朝には、決選投票に残れないと悟った馬淵氏が選対の会合で「決選投票では海江田氏を支持する」と表明したが、党内では「馬淵氏は、決選投票での『海江田氏支持』を条件に小沢グループから推薦人を借りていたのではないか」との見方も広がった。

 小沢グループの手法には、「ポストを約束してくれるのは小沢グループだけだ」と歓迎する者もいれば、「古い自民党総裁選を見ているようだ」と反発を強める議員もいた。

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