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結局、辺野古「埋め立て」へ…普天間移設
2010 / 05 / 19 ( Wed )
 米軍普天間飛行場移設問題で、政府は、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する代替施設の工法を「埋め立て方式」に戻す方向で最終調整に入り、米政府側に伝えた。

 複数の政府筋が18日、明らかにした。

 有力案だった「杭(くい)打ち桟橋」方式は、米政府側が安全・技術面で強い難色を示しているため、断念する方向だ。移設問題は、鳩山政権発足以来8か月間の迷走の末、最終的に、移設場所も工法も、現行計画にほぼ近い案に戻る見通しが強まった。

 政府は17日から都内で開いている日米外務、防衛当局の課長級、審議官級実務者協議で、米側にこうした方針を提示した。沖縄県幹部にも17日、非公式に伝えた模様だ。政府関係者は18日、「杭打ち桟橋方式に対する米側の反応は厳しい。協議に持ち出す雰囲気ではない。こちらももう、考えていない」と語った。

 政府が先にまとめた移設最終案は、2006年に日米が合意したキャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立ててV字形に滑走路2本を建設する現行計画を修正し、沖合に杭を打って桟橋を造り、滑走路を建設する内容だった。しかし、米側は、桟橋方式はテロ攻撃やミサイル攻撃に弱いことや、現行計画に基づく環境影響評価以上の手続きが必要となることなどから、強い難色を表明した。政府は、「5月末決着」に向け、米側と一定の合意を得るためには、工法を変えざるを得ない、と判断したものとみられる。

 沖縄県の仲井真弘多県知事は従来、滑走路の沖合移動を条件に現行計画を容認し、名護市でも辺野古区など地元の3区は賛成している。市議会でも、半数近くが現行計画容認派だ。埋め立て方式の場合、沖縄県内の建設・土木業者が事業に参画しやすくなる利点がある、との指摘もあり、政府は地元でも一定程度の理解を得られるとみている。

 ただ、政府は「現行計画回帰」との批判を避けるため、滑走路の配置などを修正したい考えだ。米側はその場合でも、現行計画に関する環境影響評価の範囲内で、なおかつ運用上の要求を満たすことができる「微修正」しか応じないものとみられる。

 協議が大詰めに入ったため、鳩山首相はクリントン米国務長官が21日に来日する機会をとらえ、政府案への理解を自ら求めたい考えだ。北沢防衛相も18日、防衛省でルース駐日米大使と会談し、協力を要請した。

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