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種牛ショック、宮崎は残り6頭に…口蹄疫
2010 / 05 / 17 ( Mon )
 長い年月をかけて作り上げるブランド牛の「種牛」。貴重な牛だけに、宮崎県高鍋町の県家畜改良事業団でも家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」への防疫対策を取っていたが、施設内で感染の疑いが発生した。

 肉牛の生産が盛んな九州各県でもブランド牛の種牛を守るため警戒を強化している。

 同事業団には種牛55頭のほか、種牛の肉質を検査・評価するために飼育している259頭がいた。このうちの5頭に口蹄疫感染の疑いがあり、同じ農場にいた種牛49頭も家畜伝染病予防法に基づき殺処分される。残りの主力級6頭は同県西都市に避難ずみ。

 宮崎県によると、同事業団では、県内で口蹄疫の疑いがある牛が確認された後の4月27、28日にシートで牛舎内を仕切り、牛を分離。発生が多発している同県川南町の職員は出勤を控えさせ、牛舎に入る際はシャワーを浴びるなど衛生面に注意していた。

 こうした対策の中でも、施設内で感染の疑いが判明したことを受け、他県の種牛施設は警戒を強めている。

 長崎県内の大半の種牛を扱う同県肉用牛改良センター(平戸市)。全国的に有名な「平茂晴」のほか「雲仙丸」「勝乃勝」など29頭を飼育している。

 口蹄疫発生前は、外部からの車両を消毒、訪問者には消毒した長靴に履き替えて入場してもらっていた。

 宮崎県で発生後、22日にセンター内で検討会議を実施。同日から、病原菌が入らないよう、種牛の見学など県内外からの訪問は基本的に断り、敷地内に入ることを禁じた。職員も畜産業者の会議や牛の視察など県内外への出張は見合わせている。

 佐賀県武雄市の県畜産試験場では「佐賀牛」につながる認定種雄牛1頭と、その候補牛7頭を飼育。4月の口蹄疫発生から、PRのための一般見学を中止している。県畜産課の担当者は、「感染防止対策として種雄牛の分散飼育も検討するが、県土が小さく、万が一県央で発生すると、県全域が移動制限区域になる可能性もあるなど、課題は多い」と頭を悩ませている。

 ◇種牛=霜降りが入るなど食用としての品質が高い子牛を生産するため、雌牛に精液を提供する雄牛。家畜改良増殖法に基づき、農林水産省が認定している。2009年度末で全国で1829頭が認定されており、畜産の盛んな県や民間業者が保有している。

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