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大阪府庁舎の全面移転提案見送りへ 維新府議団 9月議会で 
2011 / 08 / 03 ( Wed )
 大阪府の本庁舎(大阪市中央区)を咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区、旧WTCビル)へ全面移転させる構想を掲げてきた「大阪維新の会」(代表・橋下徹知事)府議団が、9月議会では移転の提案を見送る方針を固めたことが2日、維新幹部への取材で分かった。他会派との対立の激化で可決は困難と判断したためで、9月議会までに移転の可否を判断するとしている橋下知事の動向にも影響を与えそうだ。

 維新府議団は当初、知事が提案した全面移転案を府議会で2度否決された経緯から、9月議会では議員提案することも検討した。ただ、通常の議案なら過半数の可決で足りるが、本庁舎の全面移転のための条例案可決には議長を除く出席議員の3分の2の賛成が必要。このため、他会派との調整は見込み薄で「全面移転の実現は9月議会では到底無理」(維新幹部)と判断したという。

 双方の庁舎が存続することで、効率的な運用ができなくなる問題が指摘されているが、維新としては今後、大阪都構想が実現した際の「都庁舎」と位置づけ、11月27日に想定される大阪市長選と大阪府知事選の後に移転案を含めた活用策を改めて検討するという。

 橋下知事は20年8月に全面移転構想を表明したが、府議会は移転条例案を2度否決する一方、旧WTCビルの購入予算(約85億円)については可決し、咲洲庁舎とした。現在は職員約2千人が勤務している。

 大正15年建設の本庁舎は震度6強の地震で倒壊の恐れがあり、府の指針で平成27年度末までの耐震補強が必要とされる。工期から逆算すれば、移転問題は9月議会には決着させる必要があるとされていた。

 東日本大震災を受け、全面移転案を棚上げした橋下知事は、専門家会議での咲洲庁舎の安全性や防災拠点のあり方などの議論を踏まえ、9月議会までに移転の可否を判断する方針。しかし、自ら率いる維新が移転提案を見送る方針を固めたことにより、橋下知事の全面移転構想が見直しを迫られる可能性がある。

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