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<沖縄振興策>一括交付金化を民主提言へ 省庁の反発必至
2011 / 07 / 03 ( Sun )
 民主党沖縄協議会(座長・岡田克也幹事長)がまとめる沖縄振興策に関する提言の概要が明らかになった。沖縄向けのひも付き補助金・交付金を廃止して一括交付金とし、国直轄事業の財源も県に移す。今週にも発表し、政府側に提示するが、沖縄振興関連の予算や権限を奪われる各省庁の抵抗も予想される。

 11年度の沖縄振興予算は2301億円で、このうち321億円は「一括交付金」として新設された「沖縄振興自主戦略交付金」。だが、道路や学校施設整備など国の指定した事業にしか使えず、仲井真弘多知事は「那覇空港国際線ターミナルビルの建設などが対象になっていない。自由度を広げてほしい」と国に要望していた。

 これを受け提言は、12年度から段階的に使い道の自由な一括交付金化を進め、最終的にはひも付き交付金を全廃する方針を示す。市町村への配分も県の判断でできるようにする。

 補助金改革は民主党が03年マニフェスト(政権公約)から掲げていた。だが、菅政権は11年度、公共事業などへの「投資的補助金」3.3兆円のうち、5120億円しか一括交付金化せず、しかも大半を継続事業に配分。地方の自主性発揮は難しく、「骨抜き」と批判されたことから、提言には、補助金改革に取り組む姿勢をアピールする狙いもある。

 提言はさらに、内閣府の出先機関である沖縄総合事務局(那覇市、定員約950人)を縮小・廃止し、人員を県に移管することも要求。民主党は「カネと人の移管」を、12年度から実施する新たな沖縄振興計画の目玉にすることを目指す。

 沖縄振興予算は内閣府に一括計上した上で、事業の所管官庁に振り分けられる。一括交付金化するとほぼすべての予算、権限が国から県に移ることになるため、各省庁の反発は必至。予算編成が本格化する9月以降の政治状況が見通せない中、実現への道は険しそうだ。【野口武則】

 【ことば】一括交付金化

 国が地方自治体に使い道を指定して渡す補助金や負担金(ひも付き補助金)を、地方が自由に使える「一括交付金」に切り替えること。民主党は09年の衆院選マニフェスト(政権公約)で、社会保障と義務教育を除くひも付き補助金を廃止し、一括交付金に転換すると明記した。地方の実情に応じて効率的に財源を活用できるほか、補助申請に関わる経費や人件費を削減できる。2年目の12年度は約1兆円まで拡大するとしている。

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