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東日本大震災3カ月 「高台移転希望」32% 被災者300人アンケート
2011 / 06 / 11 ( Sat )
 死者、行方不明者が計2万3000人を超えた東日本大震災の被災地で、産経新聞社は大阪市立大学の協力を得て避難所で暮らす被災者300人にアンケートを実施した。被災した土地に「残りたい」と答えた人は45.5%で半数を切った。しかし、「離れたい」と答えた37.5%のうち9割近くが被災地近くの高台への移転を希望していることが判明。この希望者は全体の32.0%に上る。両者を合わせれば全体の8割近くが被災地に踏みとどまる意思があるといえ、今後、高台への住居移転の成否が復興の鍵になりそうだ。

 調査は、岩手県宮古市田老(たろう)地区と同県陸前高田市、仙台市若林・宮城野両区の避難所で実施した。

 アンケートで「離れたい」と答えた被災者のうち88.1%が「高台に移りたい」と回答。集団か個人のどちらで移るのが良いかを聞くと、地点別では田老地区で50.0%が「集団」と答え「個人」を上回った。これに対し、陸前高田と仙台は「個人」がそれぞれ73.5%、57.8%と「集団」を上回った。

 調査を監修する大阪市立大学の宮野道雄副学長は「田老は昭和三陸津波による被災後、当初は『高台移転』を模索していたが結局、防潮堤を建設して『原地復興』を選択したように地域住民のつながりが強い」と分析している。

 今後のまちづくり方策の一つに、津波被害を受けない高台移転がある。宮野副学長は「現実に被災者の3割近くが高台移転を志向している結果は重い。ただ、原地復興を考えている被災者も4割以上いるので、関係者の意見調整と、現実的に移転可能な高台をどう整備していくかなど、今後の課題は多い」としている。

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