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「恋し浜」津波で壊滅=地元漁師「前以上の発展を」―岩手・大船渡
2011 / 05 / 12 ( Thu )
 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大船渡市の小石浜。地区名をもじった「恋し浜」は、恋愛成就を願う観光客が訪れる三陸鉄道の駅や、湾内で取れる養殖ホタテのブランド名として知られる。しかし、鉄道再開のめどは立たず、ホタテは大半が流された。地元の漁師らは「いち早く活気を取り戻し、震災前以上の発展につなげていきたい」と再起を誓っている。
 「三鉄の 藍(愛)の磯辺の 小石(恋し)浜 かもめとまりて 汐(しお)風あまし」。小石浜地区の若手漁師が中心となり、2003年に特産の養殖ホタテを「恋し浜」というブランドで直販を始めた。由来は地元の漁師佐々木亨さん(41)の祖父が、三陸鉄道の駅が1985年に開設された時に詠んだ短歌だ。佐々木さんは「前々から何かの名前に生かしたいと思っていた」と話す。
 三陸鉄道の駅名はもともと「小石浜」だった。09年に漁師らの要望で「恋し浜」に改名。恋愛成就の地として知名度が上がり、駅待合室にはホタテの貝殻の絵馬も用意された。ホタテの売り上げも中元やお歳暮時期で販売開始時の10倍を超えたところだった。
 大震災で高台にある駅は無事だったが、ホタテ養殖場にはがれきが沈んだまま。佐々木さんは「元通りになるまで5〜10年はかかる」と嘆く。
 全国の販売先からは「何年かかっても復活して」「義援金を集めている」という声が届いているという。地元の漁師佐々木淳さん(40)は「励ましは涙が出るほどうれしかった。最短で販売を復活させたい」と語った。 

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