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<福島第1原発>1号機の換気装置稼動 建屋内に設置
2011 / 05 / 06 ( Fri )
 東京電力は5日、福島第1原発1号機の原子炉建屋内の高い放射線量を下げるため、作業員ら13人が水素爆発事故(3月12日)以来初めて建屋内に入り、空気を浄化するフィルター付き換気装置を設置し、稼働させた。

 社員2人が建屋内で25分間、線量を測定した後、協力企業の作業員9人と放射線管理者2人が入り、約1時間半で換気用ホース8本を設置。換気装置は午後4時半ごろに稼働した。同建屋内の放射線量は毎時10〜93ミリシーベルト。作業員らの被ばく量は最大で2.8ミリシーベルト(速報値)で、計画の範囲内だった。

 換気装置の稼働で線量を作業可能な10分の1以下にすることを目指しており、順調なら8日にも1号機の原子炉を安定的に冷やすための仮設冷却システムの設置工事を始める。

 一方、1号機の格納容器を水で満たす「水棺」計画について、東電は5日、経済産業省原子力安全・保安院に、建屋や格納容器の耐震性や構造強度に影響はなく、水素爆発が生じる可能性もないとの報告書を提出した。保安院は東電の報告を妥当と評価。ただし、今後も余震が想定されるため、格納容器の下部にある圧力抑制室の支柱の耐震補強を求めた。東電は6日午前10時から注水量を毎時6トンから8トンへと増やした。

 また東電は5日、4月29日に採取した同原発2号機取水口の沖230メートルの海底の土から、高濃度の放射性物質が検出されたと発表した。1キログラム当たりの放射性物質セシウム137の濃度は通常の約3万8000倍に上る8万7000ベクレルで、ヨウ素131は5万2000ベクレルだった。東電は同原発から海洋に流出した汚染水が拡散する途中で蓄積されたか、大気中に放出した放射性物質が沈んだためとみている。【岡田英、和田浩幸、足立旬子】

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