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本格復興で2次補正編成へ=財政規律との両立に曲折も
2011 / 05 / 02 ( Mon )
 東日本大震災の当面の復旧対策を盛り込んだ2011年度第1次補正予算の成立を受け、政府は本格的な復興予算となる2次補正の検討に入る。最大の課題は10兆円規模に達するとみられる巨額財源の調達だ。国債増発が避けらない中、政府は財政規律を維持するため「震災復興税」で償還財源を確保する案を検討する。
 復興財源に加え、高齢化で膨らむ社会保障費の安定財源の確保も急務で、復興構想や社会保障改革など重要方針を取りまとめる6月が大きなヤマ場となる。
 「復興構想会議」(議長・五百旗頭真防衛大学校長)は6月末の1次提言で復興構想の大枠を提示し、政府はこれを受けて、7月以降に2次補正を編成する。また、「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長・菅直人首相)も6月末に税と社会保障の一体改革案を策定する。政府は復興予算と社会保障費を賄う財源を同時に示す必要に迫られている。
 一方、6月には今後3年間の予算の骨格を示す中期財政フレームなど「財政運営戦略」の改定時期も迎える。財務省は「復興再生債」発行で一時的に膨らむ債務は、通常の債務とは別勘定で管理する方針だ。返済の財源について、政府内では「復興税」として消費税率を3年間、3%引き上げて、再生債の償還に充てる案が浮上。その後は、消費増税分を年金・医療・介護などの社会保障財源に衣替えさせるとの構想だ。
 ただ、復興税構想には民主党内には「震災を口実にした増税は反対だ」(小沢鋭仁党税制改正プロジェクトチーム座長)などと不満が広がる。
 復興税に対する政治の拒絶反応は強く、財務省内からは早くも「求心力が低下した菅政権が、震災復興と社会保障の財源をどこまで明示できるか分からない」(幹部)と不安視する声が出ている。 

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