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<首都圏連続不審死>木嶋被告、初公判は来年か
2011 / 02 / 27 ( Sun )
 首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗被告(36)が28日、勾留先の千葉県から裁判員裁判が行われる埼玉県に移送される。客観証拠が乏しい3件の殺人罪などで起訴された木嶋被告は否認・黙秘しているとされ、さいたま地裁(大熊一之裁判長)の初公判は来年にずれ込む可能性が高い。3件を別々の裁判員が担当する「区分審理」の可能性があり、審理方法が「死刑か無罪か」という結論を左右しかねないだけに、公判前整理手続きが長期化する公算が大きいためだ。

 ◇検察と弁護側、審理方法巡り「対立」

 地裁での同手続きは2月、検察側が立証予定の事実をまとめた書面を出した段階で、証拠開示や弁護側の反論はまだ先だ。さいたま地検幹部は「裁判は来春にスタートできれば順調だ」と漏らす。

 遺体が司法解剖されなかったケースがあるなど一連の事件では物証が少ない。間接証拠の積み上げで立証を図る地検にとっては「手口が似ている三つ(の殺人)を一緒にやってもらった方が支え合う感じになる」(幹部)ので、同じ裁判員による一括審理が望ましい。

 これに対し、全面的に争う方針とみられる弁護側は区分審理の請求を検討している。「支え合いの立証を認めていいのか」と疑問を呈し「一括審理になれば(公判が長くなるため)参加できる裁判員も限られ、構成が偏る」とも指摘する。

 区分審理では、事件ごとに裁判員が交代して有罪・無罪の「部分判決」を出し、最後の裁判員は全事件を通じて量刑を決める。量刑判断では、担当外の事件も考慮しなければならない。「裁判員から『すべての事件の証拠を自分で評価したい』という不満が出るかもしれない」と別の地検幹部は懸念を示す。区分審理にするか否かは地裁が決定するが「(決定は)いつになるか分からない」と地検幹部は話す。【平川昌範、中川聡子】

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