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フランスの甘くないケーキ「ケーク・サレ」
2010 / 05 / 03 ( Mon )
【生活担当記者が見つけたオススメ!】

 ■「やってやろうじゃないの」

 ある日、社内でも「生活力」に乏しいことで有名な生活担当記者のもとに、こんな情報がもたらされた。

  [フォト]乙女記者、ケーキ片手に王子探し 婚活中IT戦士に代わり…

 「道丸さん、『ケーク・サレ』って知ってます? フランスの甘くないケーキで、すごく簡単でおいしいんですよ。私にも作れました」

 情報源は、世界文化社で営業を担当する若い女性。同社から発売されたばかりのケーキ型とへら付きレシピ本『Paris発、パウンド型で50のケーク』が異例の売れ行きをみせているというのだ。

 だいたいこの担当者、販売促進のために自ら「ケーク・サレ」づくりに挑戦。さらにその様子を収めたDVDを書店で流し、読者の開拓を図るほど力を入れている。

 私にも作れた、なんて言ってるけれど、宣伝のためなら私だってやるわ。だいたい、ケーキがそんなに簡単に作れるものですか-。心の中でそう毒づいたが、どうも気になる。よし、本当に簡単かどうか、やってみようじゃないの。

 ■「はまってしまいました」

 それから3カ月。今では本を開かずに作れるほど、はまっている。でも、どうやらはまったのは私だけではないようだ。私が初めて「ケーク・サレ」を知った今年1月には数えるほどだったレシピサイトも、この3カ月で激増している。

 レシピにより異なるが、作り方はいたって簡単。卵、薄力粉、ベーキングパウダー、生クリーム、チーズ、オリーブ油などで生地をつくり、そこに野菜や肉などの具を混ぜてオーブンで焼くだけ。生地を寝かせて30分、オーブンで45分。完成までに時間はかかるが、その間はやることがないので別の作業ができる。

 ■「これで、いつでもお嫁に行けるわよ」

 甘くないので食事代わりになるし、贈答にも最適。どんな味かと聞かれると、「新しい食感」と答えるほかないが、おかずパンがぎゅっと詰まっている、という感覚。どちらかというと、冷めてからの方が味が落ち着いておいしい。

 カレー粉を入れればカレー味になるし、もちろん甘いケーキにもアレンジ可能。調子に乗って、タマネギとベーコン入りの『ケーク・サレ』を実家に届けたところ、親のひいき目もあり、非常に好評だった。

 「大丈夫。いつでもお嫁に行けるわよ」

 目下、食べてくれる人を募集中である。(道丸摩耶)

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