民主党と日本維新の会、みんなの党の中堅・若手議員約３０人が１１日夜、東京都内で会合を開き、社会保障制度改革をテーマとする勉強会を来月中旬にもつくることを確認した。野党再編に向けて３党間で隔たりの大きい社会保障制度を巡り、合意点を見いだそうとの試み。みんなの渡辺喜美代表が新党構想を否定するなど、再編機運が停滞する状況に３党の中堅若手の危機感が強まっている。

　会合は「ＤＲＹ（ドライ）の会」で、民主党の階猛前役員室長、維新の馬場伸幸国対副委員長、みんなの井出庸生青年局長らが出席した。今春から定期的に開いており８月５日以来。勉強会では政府の社会保障制度の問題点などを議論し、政策の一致を目指すことで将来的な「野党結集への下地」（維新若手）とすることを狙う。

　ただ、再編を巡っては維新の橋下徹共同代表（大阪市長）が３党の一部勢力が結集する新党結成を掲げるものの、渡辺氏がみんなの存続を前提に連立政権を目指す構想を発表し、新党を目指した柿沢未途衆院議員を離党に追い込むなど締め付けを強化。民主党も海江田万里代表が新党には消極的で、再編機運はしぼみつつある。

　しかし、３党の中堅・若手には「野党勢力が結集する再編をしないと次期衆院選で自民党と戦えない」（民主党中堅）との不安は強い。勉強会は動かない執行部サイドを突き上げる狙いがある。だが、１１日の会合の出席者は維新議員が大半を占め、民主、みんな両党からの参加は伸び悩み、出席者からは「皆さんが腹を決めないと再編はうまくいかない」との意見も出た。

　さらに社会保障など政策面での隔たりもある。年金制度では民主党は最低保障年金創設を掲げるが、維新、みんなは積み立て方式への移行を目指しており、維新若手は「政策の一致は大変な作業だ」と漏らす。一方、再編に積極的な維新内でもＤＲＹの中心メンバーの大半が橋下氏に近く、党内では「『大阪系』が前面に出過ぎている」と党分裂を懸念する声も上がっている。【阿部亮介、木下訓明】

　安倍首相は１１日、２０２０年東京五輪・パラリンピック担当相を新設し、下村文部科学相に兼務させる方針を固めた。

　今週中にも正式決定する。

　安倍政権は東京五輪・パラリンピックの開催に向けて、政府一体で全面的に支援する方針を決めており、五輪担当相の創設によって一元的な対応を着実に進めたい考えだ。下村氏は、選手強化策や社会基盤（インフラ）整備など五輪関連の行政について、政府内の総合調整役を担う見通しだ。また、日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）などが設立する五輪組織委員会や、東京都など地方自治体、競技団体、民間ボランティアに関して、政府側の窓口となる。

　11日は「公衆電話の日」。日本初の公衆電話が1900年のこの日に設置された。携帯電話全盛の現在、その数は減る一方だが、愛知県日進市には珍しい「ドライブスルー公衆電話」がある。
　「車に乗ったままご利用できます」が売りのこの施設。市役所近くの県道沿いにあり、駐車スペースの脇に雨よけのビニール屋根が付いた電話台が直立している。カード・硬貨併用のグレーの電話機で、受話器のコードはやや長め。
　NTT西日本名古屋支店の広報担当者によると、設置は89年4月。「当時は携帯電話普及前で、通信手段の主流は公衆電話。そのPRと、お客さまの利便性向上のため設置した」という。同種施設は87年3月の長野県千曲市を第1号に、90年代には全国数十カ所に広まった。
　しかし現在ではここと島根県雲南市の道の駅の2カ所だけに。雲南市は老朽化のため移転を検討中で、移転先によっては別形態になることもあり得るという。
　総務省の統計によると、2012年度末の携帯電話とPHSの合計普及率は110．2％（通信モジュール含む）で、もはや1人1台の時代。道交法で運転中の携帯電話使用は禁止されているにしても、「ドライブスルー」利用者はいるのだろうか。
　前出の広報担当者によれば、1日の利用者数や売り上げは非公表だが「日進市の利用状況はそれほど悪くなく、公衆電話全体の平均利用額を上回っている」という。この地域を担当する外回りの営業マンが「携帯電話より通話料金が安い」と利用する例などがあるといい、今後も存続させる予定だ。　

　【ギョレメ（トルコ中部）＝溝田拓士】トルコ中部の世界遺産カッパドキアで新潟大４年栗原舞さん（２２）（宮城県名取市）が刺殺された事件で、警察当局の関係者は１０日、現場を猛スピードで走り去った不審な車を運転していたとみられる男を拘束し、取り調べを進めていることを明らかにした。

　在トルコ日本大使館によると、首などを刺されて地元病院に搬送された同大４年寺松星絵さん（２２）（富山県上市町）は手術を受けて意識を回復し、容体も安定しつつあるという。警察当局は栗原さんの遺体を首都アンカラに運び、１０日に司法解剖を行う。

　事件があったカッパドキアのゼミ渓谷付近にある喫茶店の店主によると、２人は９日正午すぎ、渓谷に向かう小道を歩き始めた。店主があいさつすると、「後で寄りますね」と笑顔で答えたという。その後、地元ナンバーの赤色の乗用車が小道に入り、約１時間半後に猛スピードで走り去ったのを目撃した。運転していたのは若い男で、車は東へ向かったという。地元住民によると、２人は小道脇で血を流して倒れていたのを発見された。

　安倍晋三首相は10日、2014年4月に予定通り消費税率を引き上げた場合の景気腰折れを回避するため、9月末をめどに経済対策を取りまとめるよう指示する方針を固めた。13年度補正予算案の編成検討や企業の設備投資減税の拡充などが柱になる見通し。麻生太郎副総理兼財務・金融相、甘利明経済再生担当相らに10日午後、直接伝える。