医療グループ「徳洲会」の公職選挙法違反事件で、創業者の徳田虎雄理事長（７５）は８日、退任を表明した。

　ただ、同グループ東京本部で記者会見した幹部らは、徳田理事長が退任後もグループの経営に関わる可能性を示唆。「当局の捜査結果を待つ」と繰り返し、事件に関する具体的な説明も避けた。

　８日午前、約５０人の報道陣が集まった東京都千代田区の東京本部。記者会見の冒頭、同会の鈴木隆夫副理事長が「このたびはお騒がせして申し訳ありません」と深々と頭を下げ、硬い表情で徳田理事長の声明文を読み上げた。

　質疑応答で、鈴木副理事長は「これまでの経験もあるので、理事長を辞めた後も助言を求めるかもしれない」と述べ、徳田理事長が退任後も経営に関わる可能性を否定しなかった。同グループの要職に就く親族の去就についても「理事長が考えることだ」と話した。

　千葉県松戸市で２００９年１０月、千葉大４年の荻野友花里さん（当時２１歳）が殺害されるなどした事件で、東京高裁（村瀬均裁判長）は８日、強盗殺人罪などに問われた無職竪山(たてやま)辰美被告（５２）を死刑とした１審・千葉地裁の裁判員裁判の判決を破棄し、無期懲役とする判決を言い渡した。

　最高裁によると、裁判員裁判の死刑判決が控訴審で破棄されたのは２例目。

　１１年６月の１審判決は、強盗致傷事件で懲役７年の判決を受け、０２年に服役した竪山被告が、０９年の出所から３か月足らずの間に強盗殺人事件のほか、強盗致傷や強盗強姦(ごうかん)などの事件を繰り返した点を重視。「反社会性は顕著で根深く、１人殺害でも死刑が相当」と判断していた。

　東京都八王子市の元ホストクラブ経営者土田正道さん＝当時（43）＝が失踪し、知人ら8人が死体損壊・遺棄や同ほう助の疑いで逮捕された事件で、警視庁捜査1課は勾留期限の9日にも、土田さんを殺害したとして、殺人容疑でクラブの元共同経営者玄地栄一郎（31）、元従業員阿部卓也（26）両容疑者を再逮捕する方針を固めた。7日、捜査関係者への取材で分かった。
　捜査関係者によると、玄地容疑者らは2010年11月25日ごろ、同市内で土田さんを殺害した疑いが持たれている。今年4月、同課が阿部容疑者の父親秀樹容疑者（59）の自宅を捜索し、敷地内の汚水槽から土田さんの歯のインプラントなどを発見していた。
　阿部容疑者は逮捕後の調べに、土田さん殺害に関与したことをほのめかし、「凶器の拳銃を埋めた」と供述。説明通りの場所から拳銃が発見されたことなどから、同課は阿部容疑者らが共謀して土田さんを殺害した疑いが強まったと判断した。　

　ＪＲ九州は７日、豪華観光寝台列車「ななつ星ｉｎ九州」を含む試運転中の２列車が、９月１４～３０日にかけて、線路脇の電柱などに接触したと発表した。

　電柱の設置場所が社内基準に違反し、２８～３１センチ線路寄りとなっていたことが原因。一部区間で緊急点検を実施したところ、計７５か所で違反が見つかった。電柱は旧国鉄時代に設置したもので、接触事故が起こるまで点検を行っていなかったという。

　ＪＲ九州は７日、九州運輸局に違反内容を報告し、文書による指導を受けた。国土交通省令に基づく社内基準では、線路脇に建造物を設置できない範囲（建築限界）を、原則として線路中央から１９０センチ以内としており、現在、問題のあった電柱の改修工事を進めている。

　兵庫県尼崎市で２００５年４月、乗客１０６人が死亡したＪＲ福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたＪＲ西日本の井手正敬(まさたか)（７８）、南谷(なんや)昌二郎（７２）、垣内剛(たけし)（６９）の元社長３人を無罪にした神戸地裁判決について、検察官役の指定弁護士は７日、同日午後に控訴すると発表した。

　公判で３人はいずれも無罪を主張。指定弁護士はいずれも禁錮３年を求刑したが、９月２７日の神戸地裁判決は「脱線事故は予見できなかった」として無罪を言い渡した。指定弁護士は判決直後から控訴の意向を示しており、６日の遺族らへの説明会でも控訴を求める意見が相次いでいた。